小野 不由美

■ 黒祠の島 小野 不由美 さんというとNHKでやっていた十二国記(見てないですが)の作者というくらいの印象しかな かったので正直、帯の文句の孤島、因習、獄門島にも懐疑的であったのですが、私の思う横溝的な推理小説 であったと思います。 失踪した女性した女性を追って渡った島で島民の白い目と非協力の中で起きる連続殺人事件という状況もうまく 描かれていて、横溝作品を呼んだときのような村の人たちに対する苛立ちのようなものもしっかりと感じることが 出来ました。 推理小説としての論理部分も数学の証明問題を解いていくときのような興奮が感じられる、細かいところ まで考えられた、隙のない出来栄えでした。 最後の部分は解決に向けた急展開というよりもページが足りなくて駆け足になっているような印象を受けたのが 残念でしたが、「たたりじゃ〜!」と叫びながら追いかけてくる老婆に心ときめくような方には、ぜひ お勧めしたい作品です。
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