川崎草志

□ 長い腕 角川文庫 第21回横溝正史ミステリ大賞受賞作。ゲーム制作会社で働く主人公。自殺した同僚と 故郷で起きた事件の関係者が同じキャラクターグッズを身につけていたことが気になり 調査に乗り出す。  作者もゲーム制作会社に勤めておられるようで、ゲーム制作に関する裏事情の描写が 多いです。そういった、短編だと削られてしまうような内容が多いのが長編の良いところ だと思います。自分が興味を持てる分野だった場合に限りですが。  巻末の北村薫さんの解説に、横溝テイストあふれる作品と書いてありますが、言われて みればそんな気もするなぁというぐらいにしか感じられませんでした。  途中、『せっかくの料理をだいなしにするつもりにならなかった。』といった、私には 聞き慣れない表現が出て悩んだりしましたが、それ以外は読みやすかったです。  パソコンを使うのがある程度好きな人にお勧めできると思います。 2010/02/12
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