乾くるみ
□ イニシエーション・ラブ 文春文庫
あらすじ
青春小説と思いきや
裏表紙に書いてある「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」という文章を読んで、
「ああ、アレか」と分かる人向けの本。
肝心の変貌はなかなかよかったです。数学の問題を解いた瞬間の、すべてが上手く繋がった感覚を
味わう事ができました。
ただ、本文を読んで要約しなさい、といった問題を出題された気分にもなりました。
話の内容は、あえてありふれた物語にしたのでしょうが、裏表紙のアオリ文句がないと読み続ける
のがつらくなるような展開が続きます。ありふれすぎ。
トリックのための小説だったと思います。
2008/03/28