日向 まさみち

□ 本格推理委員会  女理事長の命令で本格推理委員会に入ることを命じられた主人公。折しも学園は怪談話で盛り上がっていた。 嫌々ながらもその調査に当たる主人公たち。そこには思わぬ真実が待ち受けていた。   本格推理委員会と銘打ってはいますが、いわゆる本格モノを期待していると落胆することになります。論理的な推理を楽しむと いうよりも、物語、つまり主人公の青春物語に重点が置かれています。細かい謎がちりばめられているわけでもなくほとんどミス テリを読んでいる気にはなりませんでした。   よく似た構成の作品「氷菓」(米澤穂信)の方が論理性が高くて私の好みです。   主人公以外の登場人物は妹や委員長、格闘少女、女理事長といった、属性を強調したキャラばかりです。属性大好きな人だと 十分に楽しめるかも。キャラクターに深みは感じません。   とりあえず購入する前にあとがきと解説を読んでみることをお勧めします。ネタバレはありませんので、あとがきを読んでみて 作者とは気が合いそうだと感じたら買ってみてもいいかもしれません。ただ、論理に基づく驚きがある、という言葉には疑問を感じ ます。   ネタバレ  恐らくメイントリックと思われるネタはかなり卑怯と感じるものでした。私の理解不足という可能性もありますが。主人公が妹を 目の前にしてあの文章はないんじゃないかと思います。
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